佐賀県出身で立命館アジア太平洋大学に進学。
都内就職後、別府に”Jターン”してDJバー&リスニングバーを開業。

深川 謙蔵(ふかがわ・けんぞう)さん。立命館アジア太平洋大学卒。新卒で都内のデジタルマーケティング企業に人事として勤務。2019年3月から別府に移住し、DJバー「the HELL」と、リスニングバー「TANNEL」を開業。2023年より始まるおんせん都市型音楽祭「いい湯だな!」主宰。

別府に移住したきっかけを教えてください

僕は佐賀県出身なんですが、実は幼稚園のときの2年間、そしてAPU(立命館アジア太平洋大学)在学中の5年間を別府で過ごしました。ですので今回の別府を拠点に生活するのは人生で3回目になります。
APU卒業後は東京のデジタルマーケティングの会社で新卒採用の仕事を4年間ほどしていました。
ゆくゆくは「独立したい」と考えていたんですが、大学生のときにバーでアルバイトしていた経験を活かして、飲食店をやろうかなと思いました。 東京でお店を出すことは、金銭面も含めてハードル高く感じていたので、東京で学んだことや、自分が表現したいことができるお店をせっかくなら別府でつくりたいなと思い、2019年に別府に戻って「the HELL Record & Sour(現店名「the HELL」)」をオープンしました。

移住後のお仕事のことを聞かせてもらえますか?

オープンから1年間は、大分県内でラグビーワールドカップが開催されたこともありお店も好調でしたが、2020年4月からコロナに突入して本当に大変でした。そこから2年間、様々な模索をしつつ無事乗り越えて、2022年の11月に2店舗目の「TANNEL」をオープンさせました。
1店舗目は大学の後輩たちに任せ、現役の大学生たちだけでお店を運営し、僕自身は2店舗目のお店を主に運営しています。 店舗経営と同時並行で、コロナ禍から音楽ライブの企画制作を始め、2023年の10月に別府駅前の北浜で音楽フェス「おんせん都市型音楽祭 いい湯だな!」を開催しました。

今年2024年もイベント開催が決定しています。今は、僕を中心に友人達と作ったチームでイベントの企画運営をしていますが、今後は会社の立ち上げを検討しています。
移住を検討している方は、移住前にこういった音楽イベントなどに参加されるのもおすすめです。別府はお祭りのようなイベントが多いので、小さな街なのにそういう楽しいレジャーが充実していると感じられるのではないかと思います。

移住を考えている方へアドバイスはありますか?

いろいろなお店に行くのがおすすめです。別府駅前の北浜エリアは、移住して飲食店をしている方々もたくさんいるので、いろいろな話が聞けると思いますし、繋がりもできると思います。
1泊2日で来るよりは、2泊、3泊と滞在して、実際に住んでいるような感覚で過ごすのもいいと思います。お手頃な価格の宿などもありますし、地域の人との関係性を移住前に作っておけると、移住後もスムーズに街に馴染んでいけると思います。

移住するにあたっての不安などはありましたか?

一番はお金です。飲食店の経営を始めるということで、売上もどれくらいになるかわからなかったので、半年分くらいの生活費は確保して移住しました。お店がオープンしてからは、毎日営業して接客や商品構成など試行錯誤して、という感じでした。
事前に地元の人たちと関係構築ができていたので、その人たちがお店を紹介してくれたり、知り合いを連れてきてくれたりしたことは、とても大きかったです。

大分で感じるデメリットはありますか?

東京との距離はデメリットかもしれないですね。僕たちのような仕事は、どんどん新しいものを取り入れていかないといけないので、その機会は、東京に比べると圧倒的に少ないです。最先端で起きていることを見たいと思ったときは東京まで行かないといけないので、そのときは東京までの距離がデメリットに感じます。

大分でのお気に入りの場所を教えてください。

温泉ですね。思い悩んだときや、とにかく疲れたとき、不安になったときは、温泉に行きます。家の近所の100円や200円で入れる温泉にひとりで行って、1時間くらい入ったり出たりすると、「整う」というか、頭の中が整理されます。温泉にすごく助けられていると思います。

大分のおすすめのグルメスポットはありますか?

佐伯のマリンレモンの収穫祭には毎年足を運んでいます。その帰りに、佐伯の「さいき海の市場〇(まる)」にスタッフを連れて行くのですが、お寿司が新鮮で安くて、おすすめです。