大分トリニータのサポーターに支えられた選手時代を経て、
今度は自身も大分トリニータを支える側に
松本 怜（まつもと れい）さん／株式会社大分フットボールクラブ クラブ・リレーションズ・オフィサー（C.R.O）／北海道出身
大分県に移住したきっかけを教えてください。
私は北海道出身で、中学3年生の時に同じ中学の同級生達と青森山田高校サッカー部のセレクションを受けました。元々は地元の高校に進学する予定でしたが、友人に毎日のように誘われ進学することに決めました。強豪校でしたのでなかなか結果も出せずにいましたが、高校3年生のときにチャンスを掴むことができ、スポーツ推薦で入学した大学から、Jリーグ横浜F・マリノスに入団することができました。
その後、横浜F・マリノス時代に熱烈なオファーを頂いていた大分トリニータに期限付き移籍をすることに決めました。大分トリニータがJ1に昇格する勢いのあるチームだったことも大きいです。それまで大分に来たことはなかったのですが、大学から東京、横浜と都心部にいたので、久しぶりに北海道の地元に近い空気感に懐かしさを感じました。
大分の印象を教えてください。
大分にすぐに馴染むことができたのは、大分トリニータのサポーターの皆さんのおかげだと思います。選手とサポーターの距離感がとても近いことが印象的でした。当時は、毎日のように出待ちをしてくれていたり、街中でも声を掛けてくださったり、最初は戸惑いもありましたが、この近さが温かみを感じられてとてもいいなと思いました。
※現在は練習後ファンサービス実施日を設けており、出待ち行為は禁止。
「サポーターの方に支えていただいた」と嬉しそうに話されていたのが印象的でした。
大分県の魅力を教えてください。
大分トリニータというクラブがあるということが一番です。一選手を10年間もクラブに所属させてくれるということは、ほとんどありません。移籍して最初の3年間は怪我などもあり、試合にもあまり出られなかったにもかかわらず、契約を継続させてくれたことに今でもとても感謝しています。
J3に降格してしまったときには、他のクラブから移籍のオファーもありましたが、「ここで結果を出して恩返しをしたい」という思いもあり、大分トリニータでプレーを続けました。今も大分フットボールクラブという会社から、自分ができる最大の恩返しをしたいと考えています。
現在のお仕事内容を教えてください。
私が入社することになり、クラブ・リレーションズ・オフィサー（C.R.O）という部署を会社が新設してくれました。とても光栄なことで、やりがいも感じています。具体的には、大分トリニータが掲げている「三位一体」の、県民・企業・行政を繋ぐ役割になります。試合の日にサポーターたちと交流したり、子どもたち向けにサッカー教室を開いたりしています。
昨年から始めた農業体験では、子どもたちと一緒に育てたもち米をドームで一緒に販売し、その収益でサッカー教室を開いたり、サッカーボールをプレゼントしたりしました。SNSやメディアにも出て宣伝活動も行っています。大分トリニータを多くの人に知ってもらうために、たくさんの人とコミュニケーションを取り、様々な場所に赴いていますが、とても充実した日々を送っています。
選手引退後も、様々な取り組みを通して地域に「恩返し」を続ける松本さん。
大分県のおすすめスポットを教えてください。
たくさんありすぎて絞りきれないのですが、飲食店だと「第二食道園」には大分に来た当初から選手みんなと行っていました。また、城島高原やハーモニーランドや大きな公園などにも子どもを連れてよく行きます。
竹田市の「竹の子ひろば」には山型のトランポリン「ふわふわドーム」があり、津久見市の「つくみん公園」は遊具もたくさんあるので、子ども達を連れて行くと喜びます。また、温泉旅館にもよく連れて行っていたので、子どもが温泉好きになりました。
最近は、大分市内の「西方の湯」というミニブタがいる温泉によく行っています。子育てがとてもしやすい環境だと思います。
休日は家族で様々な場所に行くそうです。写真は別府市の「城島高原パーク」にてお子様と。
大分県で不便に感じているところはありますか。
不便さはあまり感じていませんが、交通の面で新幹線が通ったらいいなとは思います。博多などが近くなると、買い物ももっと便利になると思います。
松本さんが思う大分トリニータの最大の魅力を教えてください。
一番はサポーターです。大分トリニータは、ここ数年でJ1からJ3までの昇格・降格を何度も経験している珍しいクラブです。その波がある中でも離れず、応援してくれるサポーターのおかげで、J2の中では上位の観客動員数を誇っています。このサポーターの支えが一番の強みだと思います。またこのサポーターの力は、うちのクラブだけではなく、大分県全体のスポーツを盛り上げる力にもなっていると思います。
